テイクアウトとデリバリーの成功・失敗事例

大阪府では緊急事態宣言を再発例するかを検討中という報道が今朝ありました。
今回は飲食店だけでなく、百貨店や映画館、ショッピングモールなども要請の対象として
感染予防対策として人の街への流入をシャットアウトするという、より一層厳しい要請と見受けられます。そうなると、人の流れがさらに悪くなるため、ランチタイムの集客はおろか、20時までのディナー
集客もかなり少なくなり、飲食店にとっては今まで以上に厳しい期間となりそうです。

店内集客が難しくなった今、EC事業やテイクアウト、デリバリー事業、その他の取り組みを
行っていく必要がありますが、やはり同じ事業を実施しても成功する場合と失敗に終わってしまう場合があります。

そこで本記事では2020年のコロナ禍の新しい取り組みで『上手くいったこと』『失敗におわって
しまったこと』の一部事例を紹介していきます。

事例1 
AFURI(株)
東京都心の駅チカ・商業施設内、神奈川、埼玉
ラーメン

失敗事例:①デリバリーアプリの見極め ②複合商業施設への出店

詳細:
①Uber Eats、menu、LINEポケオ、EPARKなどのデリバリーアプリを配達対応エリアの全店舗へ導入。
②2020年6月に新宿のオフィスビルと立川の複合商業施設へ新規出店するも売上が見込み30%ほどに
とどまっている。

失敗要因:
①店の立地によってアプリの相性がことなり、注文数と売上に大きな差が出た。港区はUber Eatsやmenuなど普及していて配達員も多くいるが、南町田では不調。店舗立地に応じたアプリ導入をしなかったため、端末代や包材、仕入れなどのコストが掛かった。
②前者はコロナ発生後に在宅勤務やリモートワークに切り替える企業が多く、また予定されていたイベントも延期となってしまったため、売上立たず。後者は商業施設へ入居しているテナントが音楽ホールや美術館であり、人手の減少が激しい施設であった。

考察:港区エリアはアプリ側が初期段階で営業に力を入れるエリアとなります。
Woltやフードネコなどもまずは港区から攻めていき、港区周辺を開拓するような流れで普及を図りました。Chompyは渋谷区から港区へ広げていったり、menuは新宿区や中央区銀座からサービス開始しています。やはりサービス発祥の地はエリアが深耕されているため、ユーザー認知度も高く配達員も多くいます。ただ現在において言えることはUber Eatsが圧倒的なシェアを誇るため、プラットフォームを利用し売上を伸ばす場合はUber Eatsへの加盟は必須だと考えます。


事例2
(株)アンドセイス 
札幌 
居酒屋・日本酒バー 
カキ・フライ

成功事例:『せいす』にてテイクアウトおよび自社宅配にて月商200万を達成

詳細:旗艦店で価格レンジ4,000~10,000円の2段~3段オードブルや牛ステーキ重弁当のテイクアウト販売および自社宅配の実施しテイクアウト、宅配のみで月商200万円を達成。

成功要因:①商品の品質やSNS映えを意識した写真
     ②SNS上でこまめに情報発信
     ③近隣の高級住宅街に1万部ポスティングを実施

考察:
①の商品について
まず商品画像が注文されるかの成約率に大きく影響があります。
商品品質と写真品質が命といっても過言ではありません。
例えば、牛ステーキ重でしたらステーキ断面の赤身部分を上手に見せることによって極上感や贅沢感を与えることができます。
https://andseis-inc.com/free/takeout
上記のサイトから実際に販売されているオードブルやお弁当を確認できますが思わずシェアをしたくなるような商品として見ることができます。

また高単価テイクアウトの注文をする上でご馳走感が重要となります。お肉系が入っていたり、和食ならば手毬寿司があるとやはり売れている印象があります。

そのほかにテイクアウトや宅配ならば料理完成してからの15分後の商品品質を検証する必要があります。徒歩で1~1.2km、車やバイクならば3km圏内が15分となります。15分後に料理が冷めていないか、もしくは冷めた状態でも美味しいのかを考える必要があります。
また冷めた場合は電子レンジで温めて食べてもらうように促す施策も必要となります。

③のポスティングについて
時期によって反響率は変化します。
例えばゴールデンウィークや年末年始などの時期でしたら反響率1%程度となります。カラーで1万部の印刷をするとおおよそ10万円程度です。そうすると1万部で100件の注文が入ることとなり、仮に注文単価が5000円だとすると50万円の売上となります。
その際、1件当たりの獲得費用が1,000円となるため、宣伝広告費は高い印象ですが
注文が入った際は顧客のリスト化およびアフターフォローの徹底「注文当日の御礼メール」「月に数回メルマガ登録」「年間行事やイベントを見計らったDM」をするため、利益を上げられる構造となります。
注文を受けた顧客に対しては定期的な接点を持ちつつ、例えば今でしたらゴールデンウィークの家族集まり需要を狙うなど利用動機に合わせて配信をしたいものです。

事例3
(株)WEEDS
千葉・柏・成田
韓国料理・焼肉・居酒屋

成功事例:①3店で放課後セットを販売し、3店合計売上は2020年6月対予算比106%を達成
     ②ゴーストレストランを自社開発し既存店4店で330万円を達成

詳細:①UFOフォンデュやドリンクをセットにした放課後セットを1,280円で販売。
   https://marukara-chiba.com/food
   ②「鶏王チキング」というゴーストブランドを開発し出前館やUber Eatsで宅配の実施。
   ヤムニョムチキンやクリスピーチキンなどの単品に特化した商品を展開。

成功要因:
①TikTokのユーザー属性として女子高生がメインとなる。
放課後セットはチーズタッカルビやチーズドッグ、ホットクなど若い女子、特に女子高生に人気の料理なため、KPOPファンが多い女子校生をうまくとらえ、PRが功を奏した。
また「放課後セット」という商品のネーミングが話題ともなり、たくさんシェアされた。

②まるからの売れ筋商品であるヤムニョムチキンに特化したため、自社商品の売りが明確になったことでうまくいった。

考察:
①各SNSのユーザー属性を考慮した上で媒体選定が非常に重要であると分かる一例です。
TikTokは利用者数が950万人でメインとなるのが10~20代の女性。韓国料理とメインのユーザー属性がマッチしていたため、今回PRが上手く行ったはずです。
逆にフェイスブックの場合は2019年利用者が2,600万人ですが、若年層離れが起きていて年々ユーザー数が減っているのと、メインとなるユーザーが20~40代の男女のため、若年層を狙ったPRの場合は向いていないことが分かります。

②Uber Eatsや出前館などのプラットフォームを活用した宅配は日常的な利用動機となります。
そのため、単品特化型の商品を掲載する必要があります。やはり注文した商品で満腹感を得られるかが重要な指標となってきます。そのため、居酒屋などで提供している、おつまみ系は単品で完結しないため、日常型の宅配には向いておらず売上が伸びません。月商3万円などザラにあります。
やはり日常型で売れているジャンルとして、カレー、から揚げ、ハンバーガー、お弁当、韓国風チキン、カオマンガイ等のタイ料理は強い印象です。

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